Hi there!
みんな大好き、HP-A4の記事だよ!
(アクセスを見るとダントツでHP-A4関連の記事が多いのだ。ということで、それにお応えしてもう一つ燃料を入れてみるかー、というエントリである)
まずはコレだ。
HP-Aシリーズ Windows用 FOSTEX USB Audio Driver ダウンロード | FOSTEX(フォステクス)
ようやく署名を何とかしたよ、と宣もうておる。でもね、
ご注意!!
Windows10 Creators Update以降では、これまでデバイスメーカーが専用で用意していたUSB AUDIO 2.0ドライバーがWindows標準で搭載されました事による問題が生じております。
本来USBオーディオドライバーはデバイスメーカーが用意したドライバーを関連付ける事となっておりましたが、今回のWindows10 Creators Updateによって専用ドライバーがあるにも関わらずWindows標準ドライバーが関連付けられることにより動作に支障が発生しております。この症状はWindous側での挙動になりますため、Windowsにて変更が無い限りメーカードライバーでの対処は困難です。
暫定処置として動作環境の変更で再生が可能と成りますのでご紹介致します。
という説明はどうだろう?
Usb Audio Class 2.0がWindows10 Creators Updateでサポートされた以上、Fostexの独自ドライバが必要となるのはASIOじゃなきゃやだという場合のみだ。もっとはっきり書けば、独自ドライバが必要なのは、DSDをDoP(DSD Audio over PCM Frames)ではなく、ネイティブのまま送りたいという場合にのみだ。
サポートの手間を省きたいのは判るけど(場合の数がサポート現場で効いてくるのは、商売柄よく理解している)、何が何に効くのかということを説明せず、Howのみを書き連ねるというのはこの手の非日用品の説明としてはいかがなものかと思う。スピーカーユニットに標準箱の設計書をつけてる丹念さとギャップがありすぎる。
...それともみんなが夢(幻想)を持てる隙間を作るのが、非実用品のベンダーとしての責務だとでも言うのだろうか。何が何でもFostexドライバを使えという態度は、Windows標準より独自ドライバの方が音がいいぜ、理由は知らないけど、という幻想などを容易に育みそうでげんなりする。
もうちょっとすっきりとした、ユーザーを育むような情報提供が出来ないものかね。
とりあえず記す。
(1/26追記)
この件に関してはMSも情報を公開している。
回避手順も開示しており、Fostexの説明もこれを元にしたものであることが判る。
それがさらに悲しみを増す。
なぜ、Fostexが回避策を説明しなければならないのだろう?OSベンダーが現象を把握していて回避策も提示しているからそっちを見ろ、で終わりでは無いのだろうか?しかし実際にFostexがやっていることは、MSが公開している手順を屋上屋を架すがごとくクドクドとリライトしたものの公開である。
確かにstep by stepでの操作説明を求めるサービス泥棒の顧客が日本には多くいる。しかしWindowsの操作を知っているべきなのはHP-A4の購入者なのであって、それに対する説明コスト(甚だしきは電話でやるのだ)を他の顧客と分担するというのは奪取なのであり、そしてそれにFostexが加担しているというのはどうなのか。
Fostex自身が責任を持つ範囲(署名付きドライバはさっさと出すべきだし、自社ドライバが入らないという事の意味は説明すべきだ)、顧客が責任を持つ範囲(Windowsの使い方は知っていなければならない)、それらの線引きが間違ったまま商売をしているということにげんなりするのである。
ちょうど、そのような特集もあるようだ。
この前のTOTOはまた違ったパターンのサービスマインド不全だったが。
と、いつものごとく発散するのだが、Fostexに話を戻せば、システム物(ソフトウェア物)のサポート基準を見直さないと、ほんとにつらいと思う。足りてないんじゃ無くて、力(リソース)を投入するポイントが間違っている。エンジニアリングではなくて企画やマーケの問題。
ああ、それは日本の製造業に今なお多く見られる問題であって、つまりそれが悲しみを呼ぶのだ。