これを見るのが今回のデリー行の目的です。
そこでは
や、
という方々のライブパフォーマンスをかぶりつきで観ることができました。
詳しくは日本に戻ってから補足しますが、最高だったことを先ず記しておきます。
ステージに上がられた奏者のお弟子さんの言によれば、「最高レベルの人の、最高の演奏」とのことです。
いい日に巡りあわせたなあ。
これを見るのが今回のデリー行の目的です。
そこでは
や、
という方々のライブパフォーマンスをかぶりつきで観ることができました。
詳しくは日本に戻ってから補足しますが、最高だったことを先ず記しておきます。
ステージに上がられた奏者のお弟子さんの言によれば、「最高レベルの人の、最高の演奏」とのことです。
いい日に巡りあわせたなあ。
銀座のデリーではなく、一国の首都のデリーの方(銀座の方は年末に行った)。
インディラガンジー国際空港に昨日の夕方18時について、タクシーがどうにもやばそうなのでメトロを乗り継いで、駅降りた後も迷ってホテルに入ったのは21時ごろ。
それから友達と待ち合わせて、飯食って、寝て、時差ボケで早朝おきて、ネットして、体操して、シャワー浴びて、現在。
いろいろと強烈。まずは周りが全部敵にみえる。こっちも鬼のような顔をしてたらしい。隙を見せたらやられる! とか思ってたしね。
そしてメシを食っているときに友人に言われる。いきなりメトロ乗るかね?って。
密室よりはいいじゃない、タクシーの運ちゃんと場合によっては言い争いをするのって、結構しんどいよ。だったら全部自分の責任で乗り切る方がスッキリしてるぜ。
とは言え、友人に会うまでにインドの優しさにもふれてはいたのだ。
自分でやったるわ、と乗ったメトロ。その駅を降りた後がホントにいきなりインドの住宅地で、相当ビビり、そして迷った。いざという時にスマホが電波をつかみ損ねる…。とは言えここまで来ちゃったんだからもう引っ込みはつかない。
インドの夜は素直に暗い。その暗い住宅地をうろつき、どう考えてもここの筈なんだがという通りにたどり着くまでに20分。その通りを一往復してまだ見つからず、一回途方に暮れてみるかと思ったそのとき、玄関先に椅子を置いて座っていたおじいさんが、
「one eight two, right?」と声をかけてくれた。そう、それです、その地番です。今までに迷うtourlist を何人か見てきたのかな。
「yes, I’m searching for.」と答えると、
「left side of this street, overthere」とか、そう教えてくれたのでした。Thaaaaaaanks!
お礼を述べて、信じて進んでいくと、地番のプレートと共に確かにホテルがありました。鉄の柵が閉じられ、特に看板に明かりが灯っている訳でもない建物は、信じる力がないと通り過ぎてしまっても何の不思議もない。あのおじいさんがワタシに信じる力をくれたのです。いや、マジで。
その後の友人とのメシであったので、ひどい顔だったとしてもおじいさん分はましになってたはずなんですがね。つうことはおじいさん前はもっとひどい顔をしてた訳で、l、それに声をかけてくれたのには本当に頭が下がります。
食事の後、部屋に戻って心拍計をみてみたら、普段の3割り増しで生きてましたよ。
生きてるだけで有酸素運動です。
数字は正直だなあ。
続く。
年末年始のアレコレや、金沢市の市長のアレっぷりについては近いうちに何とか言語化するとして、本日は今書かねばとナラヌことについて、ポイントのみ記す。
昨年末にxiaomiの活動量計を買った。amazfit bipという奴だ。
ヴィジュアルはこんな感じ。
重さ32gと軽く、付け心地のよい筐体には、心拍計、万歩計、スポーツ時の活動量計、天気通知、電話とSMSの着信通知、スマホ探知、睡眠の量と質の記録、などの必須機能がもれなく詰め込まれており、しかも一度の充電で45日の稼働できる。ああ、書き漏らしていた、IPX68防水なので、運動のあとにそのままシャワーに入れてしまうのだ。
現時点ではベストのバランス(というか割り切り)だと思う。ゲームができたり、音楽が聴けたりする『スマートウォッチ』は、せめて一ヶ月充電不要になってからbells and whistlesのことを考えるべきだろう。
つまり、ワタシはこれを大いに気に入り、自分が数値化されていくという面白さに夢中になっているのだ。
ところで、これを使うには、スマホにHUAMI*1提供の mi fitというアプリが必要になる。
mi fitは日内の心拍数変動や睡眠状態、それに各種スポーツ時の記録を管理するためのアプリで、そのロガーおよび通知装置としてamazfit bipなどを収容・管理する構成になっている。
本日残しておきたいのは、そのmi fit の使用許諾(EULA)に対して行われた変更の衝撃だ。まさに、ディープインパクト。いや、異次元インパクトと言うべきか。ちょっと常識で考えられないことがあったのだ。
最初にインストールしてから一週間後、使用許諾が変わったから再度同意を示せとスマホに通知が表示された。一応本職なので、ざっとでも使用許諾は眺めることにしている。幸いmi fitの使用許諾には、変更箇所をボールドで示すという親切がなされており、変更点は簡単に見つかる。
そして頭を抱えることになったのだった。
5 使用についての指定
5.3
ユーザーは、HAUMI、その関連会社、並びに役員、取締役、従業員および代理人を、あらゆる損害、第三者の請求、行政上の過料、損害及び/又は経費について補償し、防御及び支持するものとします。経費には、合理的な弁護士費用、調査及び証拠収集経費、どのような形態であれユーザーがHuamiのサービスを利用した経費、ユーザーのコンテンツ及び本契約の関連法又は違反行為に対するユーザーの違反に関連して生じた経費を含みます。
ありえない。
契約自由の原則があるからといって、これをEULAに入れるのはどう考えても無理。しかも、このEULA、裁判は中国でしか受け付けないと言っている。
HUAMIは何らかの理由で発狂したのか?それとも、実は日本語へのトランスレートがまずく、原文(や英語版)では違うことを書いているのだろうか?
その可能性を確認するべく、HUAMIのサイトに赴いたのだが、どこを探してもmi fitのEULAが見当たらない。それどころか時折サイトからのレスポンスが止まったりする。うーむ。
さて、HUAMIは、センシティブな情報が詰まりまくっているスマホの各種グラントを与えるにふさわしい会社なのだろうか?
どうやらそうではなさそうだ、というのが本日緊急に残しておきたいこと。
中国製のHWには色々助けられているし、それなしでやっていくというのはもう考えられないけれど、彼らの行うサービスにのっかろうという日はまだ遠そうだな。こんなのをぶっ込んでくる会社(もしかしたら社会)とは、適切な距離が必要だ。
amazit bipのモノ自体は本当に気に入っているし、安心して使えるのならmi fitの機能に不満はないのだが、根本がずれてそうなのはどうにもならない。
うーむ、本当に困るね。
(追記1)
ということで、mi fit を捨てて、有償アプリの「Notify & Fitness for Amazfit」に移行。さっさと逃げるに限る。
1/7 さらに追記。
どうも「Notify & Fitness for Amazfit」は自力でペアリングをしない模様。mi fitにペアリングをさせて、その上前をかすめる仕様らしい...。金取っといてそれかよ。
うーん、真面目に解決をせねばならぬ模様。うぬー。
1/14 さらにさらに追記。
「Notify & Fitness for Amazfit」はmi fitがインストールされていなければ、自力で繋ぎに行くことが判明。
なんだけど、ファームのアップデートはオレを使うな、mi fit を使え、文鎮になっても知らないぜ、と宣う。
そして、事実アップデートの途中で固まってしまった!
mi fit を入れ直して、そこからアップデートを掛けることで事なきを得たのだが、これは困る。
終わってすぐにmi fitをアンインストールしたけど、そこで漸く気がついた。mi fitのあのキチガイ条項、使用許諾と全然射程が違う話だけに、使用を辞めても拘束が発生すると主張しそうで怖いじゃないか。
リーガルに相談しようにも、ドキュメントとして存在しない(画面上で、目でみるしかない。しかも、どんどん勝手に変えてくる…)のは大きな手間だ。画面キャプチャーを取るの?
悪意あるなあ、HUAMI。ありえないなあ、中国的リーガルマインド。
こんなのが世界のスタンダードになっちゃったら、生きにくくて仕方ねえなあ。
(追記2)
本件は逃げ道があった。でも、もし代替策がない場合にはどうするのか?
中国的サービスとの付き合いは、最初に代替策を検討してからというのを徹底しておかなければならぬのだろうか。
残念ながら、多分そうだ。
#シュガラお題「理想のコンビ」
sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)
ずーっと引っかかっていた事なので、この機会(※)に常々感じている違和感を表明しておこう。
※大量の雑誌スキャンの途中の暇つぶし。
まず定義。
理想ってこういう事だよね。
大辞林 第三版の解説
だから「理想のコンビ」ってのは、以下のような事になる。
さて、お題の『理想のコンビって?』という質問、これって、コンビの本質は何なのかしら、と問われているのとほぼ同義だ。何という難しい問いかけ。
もしや、英語の語源通りの使い方をしているのかしら。
adjective
2 attributive Existing only in the imagination; desirable or perfect but not likely to become a reality.
‘in an ideal world, we might have made a different decision’
でも1.なのであれば目的語(として示される適用範囲)が必要。適用範囲がない「理想の」は2.の方に流れちゃうわけで、やはり上掲の「理想のコンビ」の解釈に向かってしまう。
さて「理想のコンビ」とは?
ところが現実には、目的語なしの「理想の」が当たり前のように使われている。しかもかなり羊頭狗肉ぎみに。
すぐに別れてしまう「理想のカップル」、使ったからと言って必ずしも問題が解決しない「理想のソリューション」、ハウスビルダーごとに違ったことを言う「理想の住まい」、トレンドが変わるたびに移ろう「理想の食事」、等々、などなど。
これを見ても判るとおり、日本というのはとても難しい国であり、その国で今現在使われている日本語というのはとても難しい言語です。辞書と異なる、曖昧かつ適当な用法が当たり前のように流通し、それを受けて何事も曖昧かつ適当に進むのですから。
道理でソフトウェアが発展しないわけです。
とまれ、「理想のコンビ」。もうちょっとだけ粘ってみよう。
コンビとは二人組のこと。これを上掲の定義に代入すると何か閃かないか?
あー、ますますわかんないっすねえ。「コンビに求められる望ましい性質とは何か」とか、「知ってる中で最高のコンビを教えて」とかだったら答えられたのに、日本語の難しさがワタシを拒むのです。
結論としては、「理想のコンビって?」...設問がわかんないので答えられません。
でも、ラルフとヴァネロペは「素敵なコンビ」だとは思うよ。ホントに面白かったシュガーラッシュを牽引しているのは、この二人の組み合わせだし。
題材込みで、ここ何年かのうちに見たディズニー映画の中でもシュガーラッシュが一番のお気に入り。シュガーラッシュ:オンラインは映画館で見てもいいなあと思ってる。いや、ホントに。
そして/でも、ディズニーはそういうシミュラクラが本当に上手。何を見ると人間がどんな反応をするのかというのをある種の力ずくで追い詰めているような感じ。しかも年々精度が上がっているし。いつか人間の感情反応カタログというものが出来るのだとすると、それのオーナーはディズニーだろうね。
であるので、「人間は何を見ると『理想のコンビ』と感じるか」という設問だったらディズニーに聴くべきだ。彼らなら、きっと答えてくれるはずだ。
それは次の映画を見ろ、という回答かもしれないけど。
もちろん「もとこ」じゃない。
ここ二年、11月になると金沢のしいのき迎賓館にはTechnicsのハイエンドオーディオセットが持ち込まれ、プログレのアナログディスクを音源とした鑑賞会が開かれている。鑑賞会?まあ、そういう感じ。
石川県政記念 しいのき迎賓館 - ようこそ、おもてなしの空間へ。-
(2018年のイベント情報はWEB上にないみたい。なぜに?)
ここで驚くべきは、ハイエンドオーディオセットにもかかわらずパワーアンプがフルデジタル、つまりデジタル信号を入力して、PWMの最終出力段でアナログ化するという構成を取っているということ。そしてハイエンドと名乗るにふさわしい音を出していること(もちろん人によって好みはありますが)。
え、アナログディスクが音源なのに、パワーアンプはデジタル入力なの? と気がついた人は鋭い。ターンテーブルから出た信号は、フォノアンプでAD変換をされた上でコントロールアンプにデジタルで送られているのだ!*1
アナログ信者が憤死する構成だね。でもアンプまでトータルに考えるなら、これはアリのシステム設計だ。そして、その設計が当たりである証拠に、眼前のオーディオセットは素晴らしい音を奏でている。
なるほど、最近のデジタルアンプというのは本当にすごいのだなあ、最終出力段までフルデジタルの、DAC不要の世界が来たのだなあ。
という素朴な感想を持っていた、四日前までは。
見方が変わったのは、月曜の朝に届いたtech系ニュースサイトの記事サマリー紹介メールのせいだ。そこにはこんな見出しがあった。
┏━ EDN Japan 今週のオススメ記事 ━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…………
▼
【2016年12月公開記事プレイバック】●窒化ガリウム、D級オーディオの音質と効率を向上
https://re.itmedia.jp/3Oi57HPR
二年前の記事の紹介なのだけど、Technicsのハイエンドオーディオセットにショックを受けていたワタシには引っかかるものがある。そこで、その記事に目を通してみると...。
以下、記事から引用。
シリコン(Si)によるMOSFET(以下、Si-MOSFET)は過去25年間にわたり、D級システム向けスイッチング・トランジスタとして選択されてきました。ただし、効率の高いアンプは作れますが、不完全なスイッチング、高いオン抵抗(内部抵抗)、非常に大きな蓄積電荷による歪みに悩まされてきました(図1参照)。
...中略...
もし非常に正確なスイッチング特性を備えたトランジスタ技術があったとすれば、PWM変調器から再生する小さなオーディオ信号の電力をほぼ完全に再生でき、フィードバック量を大きくする必要性を小さくする(または、完全になくす)ことができるはずです。
...中略...
こうしたD級システムに適した理想的なスイッチング・トランジスタが、窒化ガリウム(GaN)を用いたトランジスタであり現在、実用化が進みつつあるのです。
...中略...
しかも、この特性は、ヒートシンク(冷却器)なしで得られ、eGaNベースのアンプは、多くの既存システムの標準的なアンプの実装に直接接続することができます。
...中略...
他にもパナソニックが、2015年に、ハイエンドのオーディオマニア向けブランドのテクニクスで、eGaN技術を用いたアンプを製品化しました。
...中略...
高いPWMスイッチング周波数、低減したフィードバック量、より広帯域化が可能なeGaN FETベースのHD Audioシステムは、オーディオマニアが要求する暖かさや音質を満足するサウンド――、つまり、最高のリニアAB級システムでさえ達成したことのない地点に到達することができる素晴らしいオーディオ体験を生み出すことができます。
ああ、そうだったんだ。Technicsのアレは、古典的なオーディオ道の常套手段である物量投入の結果じゃなくて、新しいデバイスがもたらしたイノベーションの成果の一つだったんだ。
ただしTechnicsは「ハイエンドオーディオ」として成立させるために、そのGaN素子に投入するDC電流の精度を上げるための巨大な電源部を組み込んでいる。こういう物量による演出なかりせば、158万円也のプライシングは難しいだろうしね。
(その158万円の偉容はこちら)
そのページの冒頭の惹句を引用してみよう。
デジタル音声信号の理想的な伝送、増幅を追求した革新的パワーアンプ。
独自のデジタル信号伝送インターフェースTechnics Digital Linkによって、
音声信号をスピーカー直前までフルデジタルで伝送・処理するとともに、
実際の音量調整をパワーアンプ側で行い、歪み・ノイズ・ジッターを徹底して排除。
さらに、GaN-FET Driverの採用による高速でロスの少ないスイッチング、
スピーカー負荷適応処理LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)により、
正確かつ、強力で超低ノイズの電力増幅を実現しました。
投入物量や新機軸(脚注でも触れた音量情報を別途送るプロプライエタリのデータフォーマット)が並ぶ中、そーっとGaN-FETという文字が入っているのが判る。
ここがイノベーティブなのだ*2。
総額600万のTechnicsのシステム等はワタシの実生活にはあんまり交差しないけど、低消費電力、低発熱の高品質デジタルアンプが手に入るとなると、その応用範囲は広大だ。家庭も、車も、さまざまなポータブル機器も、およそ音響増幅があるところは、おそらくGaN素子によるデジタルアンプにおきかえらえる事になる。
もともとPWMによるD級アンプ(デジタルアンプ)は、理論的には筋がよい話だったのだ。それがいまだに全世界を征服していないのは、スイッチング素子の物理特性がその理想に応えられなかったからだ。
ワタシの常識はそのあたりで止まってたんだけど、GaN素子の登場でその構図が崩れていたのだね。うむむ、情報収集の感度が下がっているのかしら。とまれ二年前のニュースは、重要な情報を伝えてくれたのだった。
というだけでは、世界が劇的に変わる話にはならない。
この話には続きがある。今週の火曜の夜に友人と会食したとき、「デジタルアンプにイノベーションあったみたい。GaNアツイ」と伝えたところ、ワレもGaNに注目しておるという反応があった。さすが友人話が早い。というか、現在はソフトウェアエンジニアであるのだけど、大学のタイトルはEEだったし、チップ屋さんに勤めてたこともあるしで、彼の方が土地勘がある話なのだな。
彼の話では、今ACアダプターがアツイのだそうだ。
彼はこれのニューズリリースをみて興奮したそうで、たしかにすごいスペック。GaNを使うことで、DC-DC変換部の効率が上がるということだね*3。
電圧の変換効率が良くなるということは、世界中で無駄に発生している変換損としての熱が減少するということで、つまり世界が変わる話だ。そういう事を引き起こす素子の進化が進んでいるというのをまーったくフォローしそこねていたのは何ということだろう。
思想とか、物語とか、民族意識とか、歴史観とか、ソフトウェアとか、プロダクトとか、そのようなもので世界が回っている訳じゃないんだよね。
そういう上部構造というのは、その下部構造に制約される。私たちがどのように立派なことを考えようとしても、インターネットを支えるコンピューターや、通信や、電力が供給されなければ、今の私たちはその活動を続けることができない。逆に、昔の知的活動がああいう形だったのは、結局それを支える下部構造による制約の結果なのだと思う。その下部構造であまねく使われている素子にイノベーションが起きれば、やはり世界は変わるのですよね*4。
「世界は素子で回っている」のです。
デバイスの動向を正しく見ずして世界線を占おうというのは、ソフトウェアエンジニアの奢りですなあ。おハズカシイ。これからは旧に倍してデバイス周りのウオッチを(も)進めて参りますとも。
言いたいことは大体終了。
反省も込めて真面目にGaNの状況を調べてみたので、そこで見つけた記事を最後に挙げておきます。
第2回:GaNの商用化が加速、SiCはやや足踏み (1/4) | 連載02 省エネを創り出すパワー半導体 | Telescope Magazine
第3回:始まる今後のロードマップ (3/4) | 連載02 省エネを創り出すパワー半導体 | Telescope Magazine
(引用)
じっくり立ち上がる
以上のような応用が定着すれば、GaNによる電源アダプタはパワー半導体の新たな市場を切り開くことになる。ただし、工業用半導体は時間のかかる市場であり、急速な市場の立ち上がりはありえない。
GaNを使ってスマホやパソコンの電源アダプタがプラグ程度の大きさになると、2-in-1タブレットやノートパソコンの持ち運びがもっと容易になる。しかも急速充電が可能となれば、大市場に成長する可能性がある。
しかしながらGaNプロセスを担当するTSMC社のようなファウンドリ企業は、GaN製造プロセスの開発が簡単ではないことを知っているだろう。このため、2017年に量産開始という目標を立てているものの、実際のラインの立ち上がりまでに一般には1年程度はかかる。GaNの製造が本格的に立ち上がるのは、2018年ごろ。トヨタがSiCをEVに搭載すると明言している2020年以降は、市場も拡大していくという予測もできそうだ。
2018年現在、ちょうどその立ち上がりを見ているところなのかな。
新しいパワートランジスタがどこまで世界を変えていくのか、とても楽しみです。
世界の行く末に少しは希望が持てるかも、そういう明るいネタとの久々の遭遇であったことですよ。
追記
とはいえ、ちょっとは昏いはなしも書いておこうかね。
eetimes.jp2013年の記事です。
(引用)
富士通とその子会社富士通セミコンダクター(FSL)は2013年11月28日、Transphorm(トランスフォーム)と窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス事業を統合すると発表した。
...中略...
FSLのGaNパワーデバイス事業は2009年から事業化を目指し技術開発を進め、2011年からサンプル品の出荷を開始。ただ、量産には至っていなかった。GaNデバイスの製造は、FSLの会津若松工場6インチウエハーラインで実施しているが、同製造ラインは事業統合の対象に含まれず、今後もFSLが、新会社から製造受託する形で生産、運営する。
...中略...
富士通は、FSLの半導体事業の整理、再編を実施しており、スパンションにマイコン/アナログ半導体部門を売却(関連記事:Spansion、富士通のマイコン/アナログ事業買収を完了)した他、システムLSI部門は2014年春にもパナソニックのシステムLSI部門と事業統合する計画(関連記事:富士通、パナソニックとのLSI事業統合交渉「順調に進んでいる」)。FSLとしての事業はGaNパワーデバイス部門の切り離しにより、2014年春以降、不揮発性メモリ「FRAM」に関する事業と会津若松工場の運営のみを残すだけとなる見込みだ。
さて、FRAMとGaN、どっちの方が技術的に筋の良い、そして世界に対するインパクトの大きな素子だったのでしょうか。
富士通は昏い判断をしたのでは、という気がします。もちろん、量産に成功し、世界中にイノベーションを巻き起こす可能性を否定するものではないし、そうなったら面白いなとも思うのですが、でも今のところは裏目の判断だったとしか言いようがない状態です。
うーむ、こういうのはMoTの領域ですかね。誰か事例分析してくれるといいな。
*1:コントロールアンプがデジタルIN・デジタルOUT、パワーアンプもデジタルIN、とすると気になってこないだろうか。
そう、音量制御をどうするのかということだ。いままでのコントロールアンプの考え方だとボリュームに応じて電圧が変わる。でもデジタル信号の場合はそうはいかない。S/N比がボリュームに応じて下がるというのはあり得ないよね。小さな音の時には解像度が下がって、大きくするときれいに聞こえるだなんて。
というわけで、Technicsはこのアンプ間の転送フォーマットをデータ+音量情報の独自規格にしてしまった。相互接続性を取るか、音を取るか。相互接続性を捨ててでも音を取るのはハイエンドらしいと見ることもできるけど、どちらかというとパナの文化を感じる。このフォーマットをISO化するとかすれば、新しい概念のパワードスピーカーとかができそうだ。さて、そういうのをみんなで盛り上げていこうとパナが考えているかというと...。
歴史を見る限り昏いね。
と、ここまで書いてて気がついた。アナログ信号であっても小音量の場合は結局S/N比が下がってる訳じゃん(デジタルの場合の有効桁数減少という強烈なペナルティーが無いから見えにくいだけで)。
Play Loudは正しいということなのだなあ。
*2:Technics Digital Linkがもう一つのイノベーションになるかどうかは、彼らが仕様をオープンにするかどうかに掛かっている。さて、パナマインドは払拭できるのか?
*3:AC-DC変換直後は高圧DCなので、それを降圧するためにDC-DC変換を行う。そのときにPWMをするのだけど、そこがGaNの出番ということになる。
ロームが公開している情報サイトにその当たりの考え方がコンパクトにまとめられているので載せておこう。
*4:なお、これは「モノヅクリ」云々のバカ言説とは一線を引いた話であることは強調しておきたく。
何となればモノヅクリとはプロダクトレベルの話であって、上部構造での事だからです。
最近ためていた記録の整理の一環。11月、12月に行ったライブ二つのことを記す。
2つ目は12/7に本多の森ホール(旧石川厚生年金会館) であったKing Crimsonのライブ。
すでに多くの方がネット上でアレコレ書かれており資料的な事はいいだろうと、いつもどおり私的な記憶をぐだぐだと書き連ねていく。
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過去二ヶ月の記憶の棚卸しシリーズの筈だったのだけど、緊急度が高いネタが入ってきてしまったのでこちらを優先する。
有楽町の慶楽が12/28を限りに閉店するのだという。
後継者がいないためとのことで、昭和25年からの店が終了するのだという。
ここに最初に行ったのは、おそらく1972年、年末だったかな。家族旅行で近所の某ホテル(アレだ)に宿をとったときの初日の夕食だったと思う。有楽町という地名が頭に刻まれたのはこのときだった筈だ。弟はここの焼売のことを後々まで語っていた。子供心にもおいしかったのだろう。
その店に、東京に通勤のように通うようになってから、ぽつりぽつりと一人で行っていた。遅めの昼に入って、どの焼きそばにしようか迷うのが楽しかった。
そのうち息子が東京にいるときに一緒に食べようと思ったりもしていた。行くなら夜だね。若いからいろいろ食べるだろうね。おかげでこっちもいろいろ楽しめるよ。君のことを気にかけてくれている叔父さんは、昔ここの焼売を食べてびっくりしていたんだぜ。そういう話もする筈だった。
しかしその日は来ず、そうこうしているうちに慶楽までがなくなってしまう。
all things must passとは正にこういうことなのだ。