all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

ストロングゼロ 飲む、もちろん酔う、お酒だもの

箍が外れたらしく、同じ日にもう一つポスト。

最近話題になってしまったストロングゼロを飲みつつ。理由は追々。

 

リードはこれでいいかな?

news.careerconnection.jp  

水無田気流さんの的外れなコメントがタノシイ記事ですが(だって、

誰かに反応してもらわないと自分が存在していないかのような、新しいタイプの孤独感

 なんてのが新しいなんて、「詩人」としてどうなの? と)、

しかし、それは問題ではないのです。問題は「アレって、特別なアルコールなの?他のアルコールと区別しなきゃいけないの?」というところにあります。

 

お酒を飲めば壊れるのは広く知られた話なのですが、それでも何とか世の中が回っているのは、アルコールをどう用いていくかノウハウとして蓄積されているところがあるからです。自制心?いやいや、ノウハウです。ただこれも新たな敵に対しては役に立たない場合もあるので、新型の敵か否かは重要な問題なのです。

であるので、ストロングゼロが固有種として危ないかどうかは大いに興味をそそられます。ほかに固有の酒がヤヴァイというケースというと、例えばアブサンなんかがそうですね。これは

アブサン - Wikipedia

 ↑にあるとおり、ニガヨモギがアカンのだそうです(チェルノブイリとの関係は

ニガヨモギ - Wikipedia

をどうぞ)。強度も去ることながら、混ざり物がダメなのだ、と言うことですね。

 

さてストロングゼロ。実は「アレ(ストロングゼロ)は肝臓を潰すぜ」という言説を何年も前から耳にしていたのだけど、一応(お金を払ってくれるユーザーは)生かさず殺さずだろうということで、製造元がキクものを故意に混ぜてるとか、製造コストを下げるために工程上のリスク判断を逃げているとか、そういうのは薄そうだなあと思っていた。ポッと出のサンガリアが先陣を切った商品ならそういう疑いもあるのだけど、嗜癖する人からお金を頂いて120年にならんとするサントリーなわけで、宿主を倒す方向には向かいにくいだろうとかね。

 むしろ気になるのは体内にアルコールを取り込むまでの機序のほうで、適当な甘さ(と言ってもゼロなんだけど)でつまみなどのバッファを阻害させて、9%で、ロング缶で、というアルコールの破壊力をダイレクトにデリバリするところに問題があるのか、と思慮するものである(ああ、酔ってるなあ)。

ホントに?では、試してみましょう。

  

そのような訳で、自分の体を使ってストロングゼロの効きっぷりを丹念に再確認してみようと飲み始めたわけです。これが今現在の状況。

ところでワタシにおけるストロングゼロとは出張先の宿に戻るときの最後の押さえ選手的な位置付けであって、ストロングゼロを素面から飲み始めるのは個人的には極めて希なのでした。すでにアルコールも、食べ物も足りている状況下における保険的な役割を期待することが専らで(ほら、寝る前にもうちょっとアルコールが足りない、というときに非常に困るでしょ?)、今日の様にゼロの状態からコレを摂取するときに何が起きるのかを、自分はほぼ何も知らないのだね。理想的な被験者と言えなくもないな。

 

そして約一時間でロング缶三本を体内に投入した感想は、「つまみのいらない酒は悪い酒という格言(さっき考えた)のとおり、コレあかんね」。

多くの悪い酒は、その価格の高さによって通常は濫用を避けることが出来るのだけれど、こいつはどうにもならない。なんとなれば安いのだから。ああ、なるほど、確かにダメだわ、これ。ぼーっとしているうちに缶が進む。

 

ちょっと分析的に書きます。

安く、効きやすく、手に入りやすい酒、は地獄への一本道ですが、たしかにストロングゼロはそうでした。

何より安いのは論を待たないですよね。

効きについては、ポイントが二つ。まずはこの果実フレーバー、マジでアカン。食い物が邪魔になる。同程度のアルコール強度のものとしてホッピーがあるけど、ホッピーの場合は食べ物の邪魔をしない。というか普通におなかが空いてきて何か食べることになるので、どこかで胃の容積の奪い合いが発生して呑みが止まる。対してストロングゼロは胃が塞がらず、人間を一個のパイプにしていく感じ。詰まり爽快。

もう一つのポイントは9%という濃度。これも多分罠で、消化器系に負担をかけずにだらだらと流し込み続けられ、アルコールも吸収し続けられる最適濃度なのかも。もうちょっと上のワインだとこうは行かない。最初の一口のパンチはなくても、一定ペースで続けられる(続いてしまう)ので結果的に大量にアルコールを摂取してしまう、絶妙にして最悪の濃さ。

そしてどこでも売っているのもご承知のとおり。

 

まとめます。

酒飲みを生かさず、殺さず、お金を引っ張ることを商売の根幹として120年にならんとする寿屋のリリースしている商品がコレである事に大いに衝撃をうけるものであります。それともストロングゼロを好んで買う人は、そもそも長期的なユーザーにはなり得ないという事なのか知らん。いずれにせよ、awfulな感じ。

アルコールという即効、遅効いずれにおいても強力な毒物と人間が共存できてるのは、その濫用を矯めるためのガードとしての文化があるからで、それがないところにアルコールをブッこむと大体地獄が発生する。典型例はエスキモーね。

アルコールを摂取する文化(ということは、アルコールを使用するためのガイドラインを共有する文化という事だね)が薄れつつある日本は、ストロングゼロを通じてアルコールの恐ろしさと再度対面することになりそうです。福祉としてのストロングゼロ、とか馬鹿な事言ってる人々はもうちょっと物を考えた方が良いでしょう(他国の事例と比較が出来ないのが島国根性という事なのかな)。

 

 

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等々、という(薬物)摂取実験の間に聞いていたのがコレ。

 

あれ、this wheel's on fireってこんなブルージーな感じだったっけ?Music from Big Pinkに入ってるアレはさておき(なぜあのような演奏に?)、Dylanのはアアだし。

熟考しばし。スジバンのカバーの印象が強すぎるんだね。あれも捨てがたいアルバムだけど、一人っきりでストロングゼロに向かいあうにはウエット過ぎる。trust in meとかsea breezesとかthe passengerとか最高にいいんだけど。

 

とまれ、ブライアンオーガーってスタイル優先の鼻につく嫌な奴だという思い込みがあったんだけど(では、なぜCDを買う?まあ、ソレハ色々...)、ストロングゼロによって知覚の扉が開かれた本日、ついにブラインオーガーと邂逅した感じ。もっと生々しかったんだ。すいません、誤解してました。

ストロングゼロを飲んでるだけあって、非常にアレな表現にしかならないけど、それもまた摂取実験の記録ということで。