all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

2/28 ホットハウス、そして愛の無常について

facebookのアカウントを消したことは致し方ないのだけど、しかしTaBeLoG(略記:TBLG)に書き込んだクチコミが消えたのは惜しかった。いや、これで制約なく書けるようになった事を言祝ぐべきかも。
そのTBLGの制約とのバトルの記録はこちら。
 

septiembreokbj.hatenablog.com対象となっているホットハウスは、1979(1980?)年に開店して金沢のカレー界(って何だ?)に新風を巻き起こし、一時は金沢におけるインドカレーの代名詞ともなったお店。2000年代には現在の場所に移転し、多店展開を図るも振るわず(ゴルフの練習場の隣にあった店でN回食べたぜ、ワタシは)、2017年にゴーゴーカレーに権利を譲渡することになった。Oh! Why ゴーゴー?ということについては、上のリンク先ですでに述べた通り。
さて、このホットハウスがTBLGでどのように扱われているか、ちょっとのぞいてみよう。

tabelog.com

何を食べてもオイシく感ずるシアワセな人々のことも、当家では「善男善女」と呼ぶ。その善男善女の大行列である。いいなあ、シアワセなんだなあ。ウラヤマシイ。以前は嫌み半分(半分?)だったんだけど、最近は割と本気で言ってる。
「地獄とは神の不在なり」(※)だけど、ワタシにおいては感覚器官における寛大さが不在なようで、ようするに日常は割合に地獄だったりする。また発散した。本題に戻ろう。

※「神への愛」について言及したいわけではない。単にタイトルと、内容の理不尽さが好きなだけ。何物かのことを考えるなら、まずは「ソラリス」を読むべき。ああ、図らずも「ゴーレム」への予告となってしまった。


 
今回ホットハウスの記事を引っ張り出したのには訳がある。2018年2月27日付の北國新聞に、これまた刺激的な(つまり”ホット”な)記事が載っていたからだ。まとめるとこんな感じ。

ゴーゴーカレーグループは、本格インドカレー店「ホットハウス」に、同店のカレーの味わいを生かしたパスタ、ピザやビーフカバブを3/1に追加する


さすが!、善男善女相手の量販ビジネスを成功させているゴーゴーカレーグループだ。本格インドカレーの味わいを生かしたパスタやピザを、本格インドカレー店というブランディングで提供するという至高の一手は、ワタシのごときには到底たどり着けないものだ。いや、すごいなー。マジ、スゴイナー。しかも前回記事で書いたとおり、グループ代表は昨年11/22の某新聞朝刊で

「学生の頃によく通った金沢市内の老舗インドカレー店...中略...おいしくて人気のあるカレーを残したい」、「将来は取得したカレー店を東京とパリ、ニューヨークでチェーン展開」

 

と述べておられる。この二つをまとめると、パスタ、ピザ含む形に進化した金沢インドカレーで東京、パリ、ニューヨークでチェーン展開するという同グループの戦略が明らかになったということだ。
取得したブランドの異次元リブランディング(金沢インドカレー!)、それを補強しつつマスに訴求するメニュー、どれも後世のビジネスの教科書に載る一手じゃないか。すごい、すごすぎる(※)、外食FCビジネスにおける新たなエポックの誕生に立ち会っていると思うと感無量だ。 

※ここ、「うまい、うますぎる」の感じで読んでください。そういや、陸王のおかげで十万石饅頭知名度が上がったとか。重畳です。みんなあのパッケージとTVCMは見るべき。

FCビジネスをザーがジーに売り込む時には、売上げ予想と利益率がいいのは当然として、それの裏付けとしての

  1. 商品の訴求力(マスへの判りやすさ)
  2. オペレーションの簡単さ
  3. 廃棄リスクの低さ

等が重要になる。そしてホットハウスに対する作戦はそれらを兼ね備えてるね!!

いやー、スゴイなー。客単価を幾らにするかとか、店舗イメージの演出どうするかとか(セントラルキッチンだろうけど、タンドリーがないとインドカレー店に見えないよ。あ、最後のヒーティング用に絞った特殊タンドリーを専用設計するのか!)、等々のFCパッケージのディテールもゴーゴーカレーグループだからもちろん抜かりなく詰めてくるだろう。いやー、新宿とか秋葉原でホットハウスが見られるのかと思うと胸熱だなー。「伝説のチキンテッカ」とか全国区になるんだ。感動だなー。


 
 
 
ところで世の中に善男善女ってどのくらいいるのだろう?この件を通じて善男善女の総数推計の精度は向上しそうだけど、その結果としてワタシの想定よりも少ないようであれば、ペシミスティックな世界観に修正を加える必要があるだろうし、想定以上であれば生きづらさの理由も判ろうというものだね。どちらにころんでもワタシには益ばかり。サンキュー、ゴーゴー!そしてさようなら、ホットハウス。

 

このさようならの気持ちは、平井和正原作、桑田次郎画のエリート、その第二部の最後のところと同じ感じ。つまり愛の無常。(中古しかないので書籍へのリンクは載せません。ワタシは復刊ドットコムに投票して再入手しました)

しかし、まさかホットハウスから、これまた小学校時代ネタのエリートに飛ぶとは。初期入力は系の性質を特徴付けるところ大ではあるのだけど、あまりにも初期条件依存だな、とは思うよ。そうか、そこは無常じゃないんだな。メモメモ。