all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

5/18 元号の国民離れ

元号の発表が来年4/1に決まった、という報道がされている。

二ヶ月でも絶望的にアレなのに、ついに一ヶ月まで縮んでしまった。

なぜアレなのかについてはこちらへどうぞ。

septiembreokbj.hatenablog.com

 

なぜそんな馬鹿なことが、と言えば

政府が新元号の公表時期について、改元1カ月前の4月1日を想定する背景には、天皇陛下への配慮がある。陛下の在位30年記念式典を開く19年2月24日以降とする方向で調整してきた。記念式典より前に発表すると「世の中の関心が新天皇に向かい、今の天皇陛下を軽んじることになりかねない」との懸念からだ。即位と新元号公表の時期が離れすぎないようにして祝賀ムードを高める狙いもある。 

なのだからだそうだ。(日経新聞記事より引用)

 

 

この恐るべき忖度により、元号を使用、利用する局面は、一年をかけてすさまじく縮減されることになる。我々が元号から離れていくのではない。元号が国民から離れていくので、仕方なく、その穴を埋めるだけなのだ。来年作業をするのは、ホントに西暦に変えようがないところだけだ。

そして、それでも不整合は残るだろう。

その事は政府もどうやら理解し始めているようだ。(以下、産経ニュースより引用)

連絡会議には全府省庁の官房長級が出席。改修するシステムは現金自動預払機(ATM)や納税関連などが念頭にある。府省庁間や官民の間でつながっているシステムの改修が間に合わない場合も、当事者同士で新元号に切り替える時期をすり合わせたり、「平成」と新元号を併用可能にしたりするなどの対策を調整することを確認した。

 運転免許証や納税証明書といった紙の証明書などについて、改元後に「平成」が表記されていても支障が出ない対策や周知方法を検討することも確認した。訂正印での修正や「平成」のままでも有効にすることなどを検討している。

 また、国民生活の混乱を避けるため、各府省庁が所管する法人のほか、民間企業や地方自治体に情報を提供するとともに、適切な対策をとるよう要請する。

 

さて、この時におそらく発生するであろう混乱ないし障害は、国民に「なんでやろ?なんでやねん?」という気持ちを生起させるだろう。そうなった際には、まちがいなく。

そして、その「なんでやろ」は、そもそも何故和暦を使わなければならないのだ、和暦が必須でなければならない規定(法律、法令)とはなんなのだ、という疑問に結実していくだろう。

というか、きっと、マスコミはそのような論陣を張ってくる。天皇制の外堀をうめる絶好のチャンスなんだから。最近は相当にゲンナリさせられてばかりの本邦マスコミだけど、基本は是々非々なので、ワタシもそのときは政府をディスる側に与するだろうな。政治が声を出しさえすれば、技術的問題が何とかなると思っているようなら、そんな政府はいらないぜ。いまの中国みたいな国には住みたくないぜ。

(ぜ、の連発をしてしまった)

 

 

結論を述べる。

天皇制を維持したいと思っている人は、今回の政府決定に多いに反発すべし。世の中の人が誰も困らない、円満な譲位を実現することの最大の妨げが、この新元号発表に関する恐るべき忖度だからである。

暴れるべし、ネトウヨ。一見倒錯的であるが、天皇に対する忖度を正すことが、君たちの益にもなり、ワレワレの益にもなるのだ。

 

...できれば今年10月くらいに発表してくれないですかね。そうするとIT屋に席をおくアタクシとしても、来年の譲位を心の底からお慶び申し上げることができるんですがねえ。

 

 

追記

元号のことを考えると、星新一を思い出す。

元号問題を解決するには、天皇の代と元号を分離し、2001年1月1日まで待って、元号を二宣(せんの字はあやしいな)にするしかない」という趣旨の事を、星新一のエッセーで読んだのは小学校のときだ。昔の事なので記憶の細部はあやしいが、大筋は間違っていないはず。解決が必要な理由については、単に西暦とのズレが不便だというのではなく、これからはコンピューターを使うようになるのだから面倒が増えるだろう、というような説明をしていたように思う。

多分70年代に入ってすぐのエッセーだと思うのだけど、そのとき、そのような事を想像できるというのは、本当にスゴイね。しかも、本気か冗談か定かではないテイストで書けるというのは。ha ha only seriousという奴だ。2018年から振り返ってみても、まことにsmartな人だと思う。

最相葉月の評伝が却って再評価を妨げてしまっているのが返す返す残念だ。ありゃ、最相葉月の自己投影がきつすぎる。