all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

8/7 「あなたの知らない地獄の話。」

いま、現代人の約半数が死後、

地獄に落ちているという事実!

なんという断定。迷える衆生を引きつけてはなさない、すごい惹句である。迷いも枯れはてた衆生であるアタシまで掴まれてしまった。

 

 

当家ではテレビ放送は見ておらず、情報収集のメインパスはネットと書籍である。その上で、地域情報とある種の意見のソースについては、新聞を補助的に用いている。昔ながらの物理的な新聞を、朝食を取りつつ社会面から逆順で子細に眺め、各種の企みのクロスチェックをしたり、兆候を採取するルーティンを行っている訳だ。

さて、そんな朝の情報収集・分析タイム、今日は第一面下の広告欄に目を奪われてしまった。「あなたの知らない地獄の話。」という書籍の宣伝である。今回エントリの冒頭に置いた引用は、まさにその広告から。版元は「幸福の科学出版」。つまり著者は言わずと知れた大川隆法氏だ。

「いま、現代人の約半数が死後、地獄に落ちているという事実!」というコピーのなんたる吸引力。しかし、およそ検証不能な事を ”事実” と断ずるのは科学と一番遠いところにある行為だと思うのだが、さて、ここの版元の名前って何だったっけ。本当なんだから仕方がない、そういう態度は宗教の本質なのかねえ。

そういう極めて凡庸な、紋切り型の感想を脳内にまとめつつあるとき(新聞を読むときには、何でもすぐにまとめる癖がある)、驚きの一行を見つけたのだった。

 

大川隆法氏の肩書きが「幸福の科学グループ創始者 兼 総裁」なのである。いつからだろう、全然気がついてなかった。こんな意図満載のタイトル、なんで見逃してたんだろう。

 

飾りを剥ぎ取るために英語にしてみよう。Founder and CEO 、終身身分と現在の職位の併記だ。役職を譲っても終身身分は残るよ、という宣言にしか見えない。というか、今日突如としてそのように読めてしまった。おそれずに記せば、大川隆法氏は生前のうちに役職を譲るつもりなのではないか?

それは中々にスゴいことであって、大はカソリック*1から、小はそこらの非認定団体まで、先代が生きている内に代替わりをしたという話は極めてレアだ*2。そして歴史の浅い団体の場合、そのタイミングでもめることが多い。なんとなれば、意思決定者がいなくなった後に、様々な意見を集約し、裁定するのは困難に決まっているからである。長く続く宗教団体は、代替わりに関する厳格なプロトコルを必ず持っている(そういう意味で、信濃町については興味津々だったりする)。

 

しかし、意思決定者がいる内に、意見の集約も、裁定もできるとしたらどうだろう。団体に関する最大の危機を免れることができるのではないか?団体の存続を第一義におくならば、生前の代替わりは決して悪いアイディアではないのではないか。

 

という事を、東大文Ⅰ、トーメンという道をたどった大川隆法氏が考えたか否か。アタシは考えたとみる。それが故のFounder and CEOというタイトル表示だと。

当たるも八卦、当たらぬも八卦だが、そのような意思の発露を見たのかもしれないという記録を残すために、本エントリを記すモノである。

 

さて、本件の結末や如何に。

 

 

追記

と、さも大発見をしたかのように書いてて、実は教団内では「当たり前の事実」だったりすると大いにハズカシイですね。残念ながら周りに信者さんがいないので確認できないんですが、何となくありそうだな..。

 

 

*1:教皇が生前に替わることがレアだというのは教皇の辞任 - Wikipediaなどに詳しい。

*2:出口なおは生前に出口王仁三郎を後継者としてスカウトしただろ、という突っ込みなどがありそうだが、大本教出口なお王仁三郎のタッグでスタートしたのであって、決して一流を興したなおが王仁三郎に譲った訳ではないのだ。