こないだの土曜に、講談師神田京子さんの怪談の会に行ってきた。ナマで講談を聞くのは初めてで、どこで拍手を入れるのか戸惑ったりしつつも(※)楽しいひとときを持たせていただきました。
※ コールアンドレスポンスのレスポンスが出来ないってのは、ここがコールだと確信が持てないのが原因なのですな。コールに相当する部分の抽出は、やはり研鑽がいるのですなと思いましたことよ。
さて講談。ナマで聞いたのは初めてだとして、ナマじゃ無ければあるのかいと問われれば、無いことはないと答えることになる。ただし正調講談じゃない。
NHK FMが80年代にやってた「ロック講談」というのがある。タイトル通りのそのまんまで、ロック界の伝説敵アーティストの人生を講談で語りつつ、途中に曲を挟むというフォーマットだ。それを聞いていた。
何がスゴいって、第一回ジミヘン、第二回ジャニス・ジョップリン、第三回ジム・モリソン(ドアーズじゃなくて、あくまでジム個人)の、例の27クラブ - Wikipediaの創立者である「三人のJ」からのスタートだ。面白くないはずがない。なるほど、講談ってのは悪くない、ネタとかみ合うならアリのスタイルだな、と思ってた。
って、はや30年以上経ってましたか!
そういう記憶の扉がこの前の土曜に開いたので、そのメモを残しておく。
まず語ってた人。宝井キンカクという音は覚えていたが(さすがに宝井一門というのがあるのは知ってる)、何分ラジオなのでどんな漢字を当てるのかが判らないままだった。良い機会なので調べてみる。
「宝井きんかく」でググると、第一に出てくるのがこれだ。
(以下、上記URLから引用)
6代(1935―2015)本名山梨務。静岡県出身。1959年(昭和34)先代の門に入り、琴調となる。1966年4代琴鶴(きんかく)を襲名、1987年6代目を襲名。修羅場(ひらば)の普及に尽力し、2代松林伯円の顕彰につとめ、伯円忌を中心となって営んだ。[延広真治]
なるほど、6代目の宝井馬琴は1966-1987の期間、琴鶴(きんかく)と名乗ってらしたのだ。
コレだ。アタシが聞いてたロック講談は、後の6代目の宝井馬琴が読んでたのだ(※)。宝井の三名跡の一つを継いだ人なのだ、なるほどスゴいと思わされた訳だと30数年越しの納得をする。
※ 講談では「語る」ことを「読む」というのですね。今回、一つ賢くなりました。
そしてロック講談そのものを今聞くことはできるのか?
ググってみようじゃないか、ロック講談。
やあ、いっぱい出てきますな。どうもコチラの方がテープ起こしでYoutubeに上げてくださったようです。ありがたい事です。
ameblo.jp原点回帰云々はさておき、曲ではなくてミュージシャンやバンドに焦点を当てて語られるというのが、当時とても新鮮だったのは間違いないです。80年代に入ったすぐというのは、まだ60年代の残照も、70年代の余熱も残っているころで、当時のワタシのようなお子さんでも、少し前には神話の時代があったのだという確信を持ってましたよ。
しかし喜び勇んでYoutubeに行ってみれば...一番聞きたかった第一回ジミヘンの巻は、SMEからの著作権Vaiolation報告によりBanされておりました。うーん、そこまでせねばならんかねSME。涙をのんで、ジャニスとジム・モリソンでしのいでおく。いや、この二つが悪かったということじゃないんだけど、第一回があまりにも強烈だった、ような気がするので。
とまあ、思わぬところで記憶の扉が開き、刺さっていた曖昧さのトゲも抜け、そして中高年らしい追憶に浸ったのでした。すばらしい、段々と老人っぽさを獲得しつつあるな。
でも、講談は面白いものだし、ナマでみるのはなお面白いというのは判った。今度どこかの寄席に行ってみようかね。