all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

10/11 2018金沢市市長選ウオッチ(その1?)

11/4に告示、11/11に投開票を行う金沢市市長選も候補者が出そろったので、第一回のメモを残しておく。

 

なんと言っても、

septiembreokbj.hatenablog.comなどと書いたので、答え合わせをしておかねば喃、ということでもある。

 

 

まず最初に名乗りを上げたのは現職の山野之義氏。例の樋渡氏との類似度が気になる人である。なんとこの人口減少時代に、コンパクトシティを目指すどころか、新交通システムで市の活性化を目指すのだそうである。

10/5付けの北國新聞によれば以下の如し。

しかし山野氏が発表した市長選公約の中には、次の一期4年では「具体化どころか、意見集約すら難しい」(市関係者)プランが目立つ。

その最たるものが「都市内交通ネットワークの充実」をうたった新交通システムの導入である。

...中略...

山野氏は「交通のあり方が今のままではいいとは誰も思っていない」と導入に意欲を示す。だが、新交通システムは、山出保前市長時代の99年に県市共同の検討会で可能性を探ったものの、走行空間の確保などがネックとなり、断念した経緯がある。

樋渡臭がプンプンする。

そういえば、本件についてはこんなメモを残してもいた。

septiembreokbj.hatenablog.com

そして山野氏自ら旗を振って導入したゴミ収集の有料化のスキームが、日本の他の都市とは大きく様相が異なっていることは、既に今年の一月、二月に(クドクドと)記した通り。都市のインフラを維持することすら難しくなっていく人口減少のなかで、出るを改る事もせず、人気取りと思われも仕方のないところにゴミ収集から得た金を撒く姿は、よく言って合意形成が理解できない理想主義者、悪く言えばこの瞬間しか考えられない近視眼者にしか見えない。

次のゴミ処理場の費用はどのくらい積み立てられているのか、埋め立て地の手当はどうだろう?金沢市立病院の赤字が毎年報じられるようになってすでに久しいが、これも九州のどこかであったように民業に売却するのか?下水のリプレースは?大きなスコープで見ればお金を使わなければならない事、お金の出し方を変えていかなければならない事は山積している。それらを無視して、コミュニティを活性化させさえすれば市の将来は何とかなるがごとき印象を振りまくのは、いかなる道理に基づくのか。

 

10年後、20年後を想定し、そこから逆算した線路を敷くポジションがガバナーなりメイヤーなりだと思うんだけど、そしてそのビジョンが自分の思い込みではなく、さりとて「民意」という名の刹那の欲望の集合でもないことを保証する事が首長の能力評価の大きな指標なのだけど、そういう点からみても、現職市長には今のところ落第点しかつけられない。

そうか、選ばれるためには何をしてもいいのだという人間がもう一度出てくるのか。それは昏いことである。これからの社会変動に耐えるための基礎固めをするべき時期に、足下しか見られない(...以下自粛...)人がもう一度市長を目指すというのか。老い先が短く、気遣うべき次の世代もない身の上で良かったと思う事であるよ。

 

 

あ、なんだか温度が上がってしまった。クールダウンしよう。

 

そしてあわや無風かと思われた市長選に名乗りを上げたのは、共産党金沢地区委員長の南章治氏。「市民本位の金沢市政を作る会(市民の会)」推薦だそうです。

10/8の北國新聞朝刊によれば

2月に始まった家庭ごみ有料化の廃止を訴え、「山野市長は有料化に反対する市民の声を聞こうとしない。市民と協働し、勝ちに行く戦いとしたい」と意欲を述べた

(強調・下線は筆者)

とのこと。

あー、やっぱりここを争点にしてきましたね。予想が当たってウレシイ。

でも「市民」の名前を軽々しく使うのはマイナス100000点。自分たちの都合の良い集合に「市民」を冠するセンスがすでに嫌われているという事が判らないのは悲しい。だって苦渋の判断でゴミ処理有料化を是とした人もいらっしゃるでしょうに、その人たちまで十把一絡げで馬鹿と言わんばかりの物言いは、さすが共産党と恐れ入る。世の中をボリシェビキとメンシェビキでしか分けられない思考法は、つまりusとthemに世界を二分せずにいられない宿痾は、どこまで行っても信仰者以外を敵に回すことになるんですがねえ。

せめて若い人が目移りしそうな候補者を立てれば良いと思うのだけど、それすらもできていないのは、よく聞くところの共産党の組織序列の厳格さに依るのでしょうかね。若人が立てるのは市会議員や区議会議員、よくて都議会議員。そこから徳を積まないと上に上がれない云々。でも吉良佳子さんって方がいらっしゃいましたね(ああ、でもあそこは親の代からだからかなあ...)。あんな感じで、みよみよこと広田みよ氏でも立てれば良いのにねえ、とは外野の偽らざる感想です。逆に若い人を立てないというのは、言葉とは裏腹に「勝ちに行く戦い」にする気がないのでは、と邪推してしまいます。

まあ、ソレコレ勝つために必要なことができない共産党だから影響力を持ち得ない訳で、それ故に安心して見ていられるのですが。

 

とはいえ、選挙戦があるのは目出たいことで、ぜひビジョンのぶつけ合いをして欲しいと思うところです。どんな論点が出てくるのか(チャレンジャーである共産党が仕掛けてくるのか)、そしてどんな論争が巻き起こるのか、楽しみにしています。

 

ウオッチの第一回はこの辺りで。