all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

6/17 アンプ更新

今やらないともうチャンスがないかも、ということで最後のオーディオ熱が高まったのは去年の夏。
シヌ死なぬは置いといても、耳が腐ってくるのはおそらく避けがたく、駄耳になったあとにハイエンド買ってもシャーナイと、(今後大もうけして、ごっついのを買う可能性を否定するものではないのですが)今買える範囲のなかでボチボチのを買って、少しでも音楽を聴こうと決心し、そして、JBL4319を手に入れた。
 
その時の浮かれっぷりはここに記した通り。

septiembreokbj.hatenablog.com

そして、子供のころに思った欲からも、最近のオーディオ地獄という執着からも、これで解放され、「老後」に専念できる準備がまた一つ整ったのも目出度い。欲や執着の整理をしていかないとね。透明になっていくんだ、オレ。

 

はっはっはっ。

最近、再生音にどうにも納得出来ない瞬間がでてきてしまいました。

うむむ、これは、アンプか!
 
 
ということで、打ち止めと言ったのはスピーカーで、アンプは次のが最後だ、と(みっともなくも)世界に再宣言をし、6月の某日、意中のアンプを確認するためにお台場のテクニクスショールームに赴いたのでした。
初芝ショールームというと課長島耕作のようなひとが居そうな気がしてしまうけど、もちろんそんな事はなく、親切極まりないナビゲートのもと、一時間フルに試聴をいたしました。
 
その時の狙いの機種はコレ。
 
そもそもテクニクスのアンプを選ぼうと思ったのは、最終出力段のPWMのところにGaN素子をぶっ込んでいるからで、なぜそれがうれしいかと言えば、1bit変調されたMHzオーダーの信号を変換するときにぶっ込む方形波がキレイになる(対してMOS-FETは波形の肩がガタガタで、これがデジアンは音が荒れる、と言われる原因になる)からであって、
「おおGaN素子よ、ACアダプターばかりかオーディオも救うのか!オレのことも救ってくれよ」
と思っていた訳です。
そして、デジタルアンプならアナログアンプほどの重量もないし老後も安心だね、とか思っていたわけです。
 
 
一時間の試聴の最後の20分は、SU-G700で聴いたのと同じソースを一桁価格の違うハイエンドのセットで聴き直し。よせばいいのに?まさに。でもメーカーとしてのコンセプトをどうしても確かめたかったのです。
そして、ハイエンドの音を聴きながらも頭を占めていたのは、SU-G700の高域の(かすかな)暴れ。スピーカーの所為もあるだろう、でももし、これがアンプ固有の問題だったとしたら...。
 
 
ショールームを出た瞬間から買うべきか、買わざるべきかを煩悶し続け、そして一週間ののち、何度も眺めたと思っていたWEB上のカタログについにある事を発見したのでした。
 
SU-G700の最終出力段は、MOS-FETのままだということを。
 
ハイエンドであるリファレンスクラスや、同じグランドクラスであっても価格が1.5倍するネットワークアンプはGaN素子を最終段につかってるんだけど、SU-G700はしらっとMOS-FETのままなのでした。Oh...。
なるほど、オーディオメーカーはこういう事の積み重ねで、ハイエンドから格落ちをする音を作っている訳なのですね。なるほど、なるほど。
 
こうして、GaN素子にミライを託すと思い込んでいたワタクシは、(勝手に)裏切られた感じとなったのでした。あの高域のかすれはGaN素子を使ってれば避けられる筈のものじゃないのか、どうしてケチるんだ、ハイエンドと聴感上の差がつけられなくなってしまうからあえてMOS-FETのままにしたのか、云々。
 
テクニクスにはテクニクスの都合があります。裏切る、裏切らないってアホか、という感じなのですが、判った瞬間そういう気持ちになってしまったのは事実です。そうしてテクニクスをあきらめることになったのでした。まあ、試聴の甲斐はあったということなんでしょう。
 
 
そうしてSU-G700への諦めがついたこの週末、ワタクシに反動が訪れました。転向といってもいいかも。人間は極端から極端に走るものなのです。
アナログアンプを買えば良いじゃないか、年を取ったときにその重たさに耐えかねるのだとしたら今のうちにキャスター付きのオーディオラックに乗せてしまえばいいじゃないか(そんなラックは家にない?だったらアンプと一緒に買えばいいじゃないか)。
そんな声が聞こえたと言います(ウソ)。しかし聞こえた気になってしまえば一瀉千里。重たさ故に除外していた同価格帯の他のアンプの情報を集めることに週末は費やされ、そして今日、最終的にこれをポチる仕儀と相成りました。
 
先に狙ったテクニクスのアンプの真逆の製品。超アナログであり、そして超重い。
今使ってるアンプが同じくyamahaのA-S801で、この傾向のままアレコレ強まったアンプというのはアリかなと(DENONのPMA-2500NEは前にアキヨドで聞いたけど、どうも低音の解像度が微妙な感じだったし、知り合いご推薦のアキュフェーズは、サイフがマジでシヌので...)。
 
これだとアナログ入力しかないから、DACを買い換えるチャンスもあるし、それどころかDACプリアンプというのを買って、今回入手するアンプのパワー部だけ使うという鬼ワザも可能!。...いや、ちょっとまて。
 
 
ともあれ、なんとなく沼が続きそうな予感をはらみつつ、今回は重たいアナログアンプに着地することになったのでした。
そして年をとってしまった場合、そして腰が言うことをきかなくなった場合への対応としてキャスター付きのオーディオラックも別途買い求めました。これでオーディオ関連に対する大型投資も最後となる筈です。
おそらく。
願わくば。
 
 
最近のオーディオ地獄という執着からも、これで解放され、「老後」に専念できる準備がまた一つ整ったのも目出度い。欲や執着の整理をしていかないとね。透明になっていくんだ、オレ。
(リプライズ)