all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

7/24 備忘録

びっくりしたので備忘録。

 

The Monochrome SetのGoodLifeというアルバムを仕事のBGMに流していたら*1、5曲目のB-I-D Spells BIDの冒頭MCで

『この曲はJoy DivisionIan Curtisに捧げます』

と言っていることに本日初めて気がついた。

何というにぶさか!今頃気がつくなんて!というのが書き残しておきたいことである。

 

5曲目は BRISTOL TRINITY HALL 1980 5/21 からのテイクなので、Ian Curtisが死んだ3日あとのライブということになる。なるほど。なるほど。

Joy DivisionのライブにThe Monochrome SetやScritti Polittiが呼ばれたこともあったようだし、このあたりは同期なのだね。

 

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Joy Division at Electric Ballroom

ともあれ、今頃気がつくかねという自分のまぬけ具合はやはり記録に残すべきということで、ここに記す。

アフリカンカンフーナチスをみて悲しい気持ちになったことなどついては、またどこかで。

 

 

追記

あ、備忘しなきゃいけない事がまだあったのだった。

はみだしっ子』のフー姉さまは、くらもちふさこ先生がモデルだったというのを去年知った。なるほど、そうだったのか。これは本当に備忘録。

 

あと、これは80年代にすでにしっていたのだけど、その『はみだしっ子』の中の番外編短編であるパーティー教室は、元ネタがキングズレーエイミスの『酒について』のP23あたりから始まるところにある。なぜこれを書いておくかというと、年若い友人にこのまえこの話をしようとしたときにディテールが飛んでいてちょっと悲しい気持ちになったから。まあ、これも備忘録か。

ヴァーノン・ヒートン著『カクテルパーティーの秘密』をエイミスがくさす展開がそのまま作品にになっており、かつコック・エールを作中でアンジーに作らせている。これでエイミスが元ネタでないなど、ちょっと考えられない。

あ、それどころか第二章になる「ワイン考(その1)」はそのまんまでしたね。これはもう、言い逃れができないレベル(誰がする?)。

 

『酒について』はもう古書としてしか手に入らないが、エイミスならではのところに加えて訳注の充実ぶりなども素晴らしく、今新刊で入手できないのが残念でならない。

...いや、理由はわかっているのだ。こういうのはもう流行らないのだね。

バブル崩壊から30年、日本ではまだ文化大革命がつづいており*2、(中流的)教養主義に連なる(と思われるもの)は、すべて唾棄すべきものだという事になっているからだ。わたし自身、昨日の世界があったことを忘れている(思い出しかねている)事が常態になりつつあり、時々我に返っては慄然とする。

そうだ、そういう感情を覚えておかなければならないのだ。備忘録である。*3

 

しかし、エイミスがAngry Young Men*4一派に含まれているというのはなんとなく知っていたが、そこにコリンウィルソンも入っているという認識はなかった。今回の備忘録にあたって周辺を調べていたら、その事実に行き当たったのでそれも残しておく。

そうか、コリンウィルソンはそういう事だったのか。もっとボッチのイメージがあったのだが。なんだかエイミスと仲が良かったみたいだし。そうか、そうだったのか。

en.wikipedia.org

*1:Miles地獄に飽きたので、違う方向に行きたかった。でも根拠がないわけではなくて、『憂鬱と官能』のハードカバー版、P205にEine Symphonie des Grauensが『はい、これは僕の作った曲じゃなくてカバーですが...』と取り上げられているとおり、Spank HappyでThe Monochrome Setがカバーされていることから、菊地成孔さんを通じてMilesとThe Monochrome Setはうっすらリンクしている事になっているのだ。

*2:毛沢東への個人崇拝こそないが、造反有理としか思えないことを、しかし若者だけではなくすべての年代が30年言い続けています。われわれは今なお壮大な実験のさなかにあるという事ですね。どこに行き着くかはだいぶはっきりしてきているのですが、さてこの実験が完了する日はあるのでしょうか?

*3:保守であるとか、懐古であるとか、そういう事ではなくて、人間として暮らすためのトレーニングが必要だけど、それはどこに行ってしまったの?という話。スマホ+検索が悪、というのを語る人は結構いるけど、やっぱそうなのかね。だとすると、文明や社会の崩壊に手を貸す商売を一生懸命ずっと続けてきたということになる。それもなかなかにツラい。もう人生の四季も最後の季節に入ろうというころになって、自分の仕事に根源的な疑念を抱こうとは。

*4:Look Back In Angerである。おや、そうか、いや、これはまたどこかで。