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記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

9/18 総務省が仕切るということ

www.nikkei.com

自治体が受け付ける住民票の写しの交付手続きで、対話アプリ「LINE」を使った申請ができなくなる見通しだ。総務省が関連省令を改正し、オンライン申請に必要な本人確認を厳しくする。東京都渋谷区は2020年度からLINEを使った申請を受け付けているが、現行方式は近く使えなくなるため改正に反発している。

 

 

まあLINEはそもそも使ってないので(あんなの使うのどうかしてる)、ワタシにはハナから関係のない話ではある。便利/不便でしかモノを考えられない輩の事なぞ知るものか。LINEを使わない者を嗤い、法令違反の運用が発覚したあとでも『大丈夫な筈、問題ない筈』と言い張り続ける○○の如き人々は、そのように人生を(○○なのに人生?)を送っていけば良いのだ。*1

 

が、そんな事をわざわざ記録に残したいのではない。

書き残しておきたいのは、今日docomoから届いた一通のメッセージだ。

そのメッセージの内容は、ここにも記載がある。

www.nttdocomo.co.jp

ドコモ ケータイ対応開始!MVNOのお客さまも9月下旬よりご利用になれます

だそうである。

 

他キャリアにおいても、それぞれのMVNOで+メッセージが利用できるようになるとの事だ。

今までMVNOに対するサポートをやる気が無かったキャリアが、あまり儲けにもならないMVNOの収容に突如走ったのは何故か。おそらくLINEを公的利用禁止としたときの受け皿と機能するように、総務省が仕切ったのだと思われる。

 

そもそもLINEだけでもあやしいのに、それがバンクと一体化するのを総務省が許すはずがないと見ていた。本件、すべてのキャリア(MNO)に本人認証と情報管理の手間を押しつけるという正攻法に総務省が出たということなのだろう。

つまり残しておきたいということはこうだ。

 

『+メッセージを着地点としたLINE切りを総務省が仕切っていることを9/18に認識しました。予想があたると良いですね。』

 

さて、当たるかどうか?

おそらくは、当たるはず。バンクの悲鳴を聞きたい、という個人的な願望の反映としてではなく、総務省のリニューアルにかかわる事だと思われるから。

デジタル庁以後の総務省の立ち位置を今ひとつつかみ損ねていたのだが、最近聞こえてきた情報からすると、

  • 総務省:経営企画室
  • デジタル庁:情シス部門

が近いのではと思いつつある。マイナンバーが情シス部門の管掌下に入るというのもそれはそれで胸熱で、ようやく実用期の入り口まで来たのだなという感じ。

ともあれ、そのように実働官庁が分かれた以上、総務省はこれまで以上に企画、調定に邁進するしかない訳で、本件(LINE アウト、+メッセージ イン)は実に象徴的に見える。

 

たのしみな事である。

 

 

追記 ... どうなるバンク?

さて、バンク、何か巻き返しを図れるのか?

pay payの落日(もう常識だと思ってたけど、これもまだ気がついていない人がいてビックリ)も、今回のLINEも(こっちの方は表面化するのはこれからだけど)、共通して思うのは

 

 バンクって事業戦略弱いな

 

という事だ。

世界に出て行けないサービスはどうやって生き残るのか...違うな、世界に出て行けないサービスを使って国内でどう勝ちきるかということに関する失敗である点において、その二つは同じだし、やっぱあそこはリアルビジネスの戦略が弱い体質なんだろうな、と。

pay payにおいては手数料を業界最安にする事から逆算して戦略を考えなければならかった筈だし(インフラに詭道なしですぜ)、

LINEにおいては、パブリックサービスになる部分を切り出してそのうえで自分ち(バンク)が儲かる仕掛けを考えられないならくっつくべきじゃなかった訳だし。

でも実際には、LINEにしろ、pay payにしろ、ユーザー数があれば強い、ユーザー数さえ抱えていれば勝ちきれるという前提の固執してどんどんハマっていっているのだ。

いまの時代、ユーザーがよそに引っ越す敷居はスゴく低くなっている。だから、ある時点のユーザー数がリアルエステートであるが如きことを思っているのって、それこそout of dateな考え方だと思うのだ。そこをバンクは全然考えていない、ように思われる。それとも携帯での成功バターン、

『流動化して、取り込んで、そしたら乗り換え手数料で縛る』

に溺れすぎて、まず取り込んでしまえば(数を作ってしまえば)、あとは何とか縛れるものだという幻想にやられてしまったのか。

ただその携帯の成功パターンだって総務省からきつく指導をくらっている訳で、他人の客は流動化させるけど、自分所の客は縛るというのはやはり無理な相談なのだと思うのだ。*2

 

要するに、バンクは商売のやり方が行き詰まりにきているのだ。おそらく。

(会社を売り買いするビジネスに於いてもARMの件が面白いことになっており、さらに面白いことにAppleはARMが囲い込まれることに嫌気してRISC Vのエンジニアをあつめて始めているという!)

さあ、お楽しみはこれからだ。

 

*1:もちろん○○であってもボリシェビキボリシェビキなので、メンシェビキであるワタクシは最終的に彼らに負けるのだが、それはそれで良い。

*2:愚か者は『経済圏をつくって』と気安くいうが、出口であるマーケットプレイスの競争力が圧倒的に劣るバンクがそれを言ってもねえ、と。