彼に伝えたかったもののうち、ノウハウ・メソドロジに関する簡単なメモをぽつぽつと書いていくシリーズを始めます。その第一回として、周りの人をカラーリング(※)するときに使っているメソッドを書いてみます。
※カラーリング、すなわち色分けは、なんだか最近良くない言葉っぽい雰囲気ですが、クオークの色くらいの気分でみといてください。政治バイアスはない、はず。
では、そのメソッドを。
「次の三つの”私には無理”のうち、一番口にしたくないのは、どれ?
- 出来ない
- 知らない
- 判らない
この設問の答えが、1なら開発、2なら営業、3なら企画・マーケ 体質だね」
なんたるアバウト?でも、過去実績では結構精度が出てて、それぞれの部族(トライブ!!)でそれなりの人に上の質問をぶつけると、その通りの答えが返ってくる。
さあ、みんなもこの質問で周りを三つに分けてみよう!
補足1
ちょっとだけ補足説明を。
上のメソッドの背景を変形して書き下ろします。
- 開発に求められるのは、求められたものを作りあげること
(=期限までにアウトプットを出すこと) - 営業に求められるのは、お客さんに情報を届けること・お客さんの情報をあまさず拾ってくること
(拾ってくる方は理解されてるけど、情報を届ける方の重要性を判ってない人が意外に多い。自分ちの商品情報を連呼するだけなら今日日WEBで十分っすわ。商品を購入することを意味を、広いレンジで意味づけられる情報をお届けできない営業はただのゴミっすわ) - 企画・マーケに求められるのは、論理的整合性がある作戦を建てること
(自分でも判ってねえことを、べらべらしゃべるんじゃねえですよ、ってことです)
さらに「おできになる人(ハイパフォーマー)は一般に負けず嫌い」という定理(※)を適用すると、つじつまが見えてくるのではと思います。
※さて、これを定理と呼ぶとすると、その前提の公理はなんだろう?
補足2
まてよ、世の中は負けず嫌いぎらいだけじゃないぜ? とか、 世の中は開発と営業と企画・マーケだけで出来てるんじゃないぜ! などの突っ込みが聞こえてきそうです。
負けず嫌い問題については、所属トライブと負けず嫌いの関係はニュートラルであって、それぞれのトライブの負けず嫌いが、そのトライブにとって譲れないところを明確化してくれてると思うべきなのでは、と。そのような訳で、負けず嫌い指数によらず、トライブと回答の結びつきは安定なのだと思ってます。
想像してみましょう、開発なのに気にする事は「判ること」。判っても、(何かが)出来なきゃ無駄です。企画なのに評価ポイントは「知っていること」。知ってても、それが作戦の素晴らしさに結びつく保証は誰がしてくれるんでしょ。
そういうアンマッチな状況は望ましくないですよね。そういうのを回避するために、今回のメソッドは意外に役立つなあというのが、実践的感想です。
そもそもこの質問、お客さんのところで回収不能な手形を切ってくる営業をあぶり出すにはどうすれば良いか、と言うところから始まったのでした。出来ないというのが一番イヤだというやつを営業からパージしたかったのですね。出来る、出来ないはてめえが言うこっちゃねえっての。ありがたいことに、弊社からはそのような営業は消えました。Viva!
あと、世の中は開発と営業と企画・マーケだけでは出来てませんよね。たしかにその通り。ファイナンスもいるし、GAやHRもいます。そしてそれらの雇用主である、経営層というのも存在します。ファイナンスについては現在考え中。だんだん見えてきつつある、かな。
GAとHRは...、どうしましょうね?彼らのエートスって、これからの世の中とうまく折り合っていけるのか、ワタシにはよくわかんないのです(ああ、婉曲な)。
そして経営層は、多分否定の質問でははかれないし、はかるべきではないと思ってます。このあたりは従業員から社員にクラスチェンジしたときに書くことにしましょう。
いやまてよ、世の中って会社だけなの?
はっ、はっ、はっ、そうかもね。少なくとも、今のワタシには他に熱量を注ぐところもないしねえ。