#シュガラお題「理想のコンビ」
sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)
ずーっと引っかかっていた事なので、この機会(※)に常々感じている違和感を表明しておこう。
※大量の雑誌スキャンの途中の暇つぶし。
まず定義。
理想ってこういう事だよね。
大辞林 第三版の解説
だから「理想のコンビ」ってのは、以下のような事になる。
- 考えうるかぎりコンビにおける最も素晴らしい状態、最も望ましい姿
- コンビの最も十全で最高の形態
さて、お題の『理想のコンビって?』という質問、これって、コンビの本質は何なのかしら、と問われているのとほぼ同義だ。何という難しい問いかけ。
もしや、英語の語源通りの使い方をしているのかしら。
adjective
2 attributive Existing only in the imagination; desirable or perfect but not likely to become a reality.
‘in an ideal world, we might have made a different decision’
でも1.なのであれば目的語(として示される適用範囲)が必要。適用範囲がない「理想の」は2.の方に流れちゃうわけで、やはり上掲の「理想のコンビ」の解釈に向かってしまう。
さて「理想のコンビ」とは?
ところが現実には、目的語なしの「理想の」が当たり前のように使われている。しかもかなり羊頭狗肉ぎみに。
すぐに別れてしまう「理想のカップル」、使ったからと言って必ずしも問題が解決しない「理想のソリューション」、ハウスビルダーごとに違ったことを言う「理想の住まい」、トレンドが変わるたびに移ろう「理想の食事」、等々、などなど。
これを見ても判るとおり、日本というのはとても難しい国であり、その国で今現在使われている日本語というのはとても難しい言語です。辞書と異なる、曖昧かつ適当な用法が当たり前のように流通し、それを受けて何事も曖昧かつ適当に進むのですから。
道理でソフトウェアが発展しないわけです。
とまれ、「理想のコンビ」。もうちょっとだけ粘ってみよう。
コンビとは二人組のこと。これを上掲の定義に代入すると何か閃かないか?
- ' 考えうるかぎり二人組における最も素晴らしい状態、最も望ましい姿
- ' 二人組の最も十全で最高の形態
あー、ますますわかんないっすねえ。「コンビに求められる望ましい性質とは何か」とか、「知ってる中で最高のコンビを教えて」とかだったら答えられたのに、日本語の難しさがワタシを拒むのです。
結論としては、「理想のコンビって?」...設問がわかんないので答えられません。
でも、ラルフとヴァネロペは「素敵なコンビ」だとは思うよ。ホントに面白かったシュガーラッシュを牽引しているのは、この二人の組み合わせだし。
題材込みで、ここ何年かのうちに見たディズニー映画の中でもシュガーラッシュが一番のお気に入り。シュガーラッシュ:オンラインは映画館で見てもいいなあと思ってる。いや、ホントに。
そして/でも、ディズニーはそういうシミュラクラが本当に上手。何を見ると人間がどんな反応をするのかというのをある種の力ずくで追い詰めているような感じ。しかも年々精度が上がっているし。いつか人間の感情反応カタログというものが出来るのだとすると、それのオーナーはディズニーだろうね。
であるので、「人間は何を見ると『理想のコンビ』と感じるか」という設問だったらディズニーに聴くべきだ。彼らなら、きっと答えてくれるはずだ。
それは次の映画を見ろ、という回答かもしれないけど。