こういうのもあります。
以下、記事から引用。
先日リリースされた中国政府の文書によると、中国の規制当局は仮想通貨のマイニングを「望ましくない」経済活動として禁止することを検討しているようです。
推計によると、世界中の仮想通貨マイニングのうち74%は中国で行なわれているとのこと。中国はさらに最も炭素量が集中している地域でもあります。Nature Sustainabilityの最近のレポートによると、仮想通貨マイニングは世界で300万から1500万トンの二酸化炭素を排出しているそうです。
いきなり極値に達する関数とか、途中から突如結果があばれる式とか、そういうものをを我々はすんなり理解することが難しいようです。複利計算ですら、人間の直感に反するようです。*1
だからという訳ではありませんが、暗号通貨の極限は見えにくいのかも知れません。
でもね。
「XXXXという性質を満たすことができるYYYYがあれば、あんなことも、こんなこともできる」という論は、別に非難されるべきではありません。
が、YYYYによって手に入るものの効用と、XXXXという性質を(持続的に)満たすということの間にはなんの脈絡もありません。効用とは独立して、XXXX自体の本質は問われるべきです。
さて、暗号通貨ってやっていけるんでしょうか?
そういう状況下でFacebookが相変わらず笑わせてくれます。
Facebook、なぜ仮想通貨にするのかが理解出来ないという正当なツッコミの記事です。
以下は記事からの引用。
米GizmodoのMatt Novak:
FacebookはLibraを「powered by blockchain(ブロックチェーンで動く)」と表現しているんですが、結局のところLibraにどうしてブロックチェーン技術が使われているのかが謎なんです。Bitcoinのような暗号通貨とは異なり、Libraはリアルの資産に紐付いています。Libraはマイニングされませんし、生み出されるLibraにも上限(天井)はありません。ローンチ時点では分散化もされないようです。
Financial Times:
Facebookはグローバルな疑似バンキング・支払いネットワークを構築しようとしていると考えると、これをブロックチェーンを使って実現したいと思うはずはありません。資料の著者たち自身が指摘しているように、ブロックチェーンを使うと変動しやすくスケールしにくい通貨になることが示されているのです。中国のSNS向け巨大ペイメントサービス「WeChat Pay」(Facebookがグローバルレベルで競合しようと思っている相手)はブロックチェーンを用いていません。PayPalだって、Venmoだって使っていません。インターネットマネーは、ブロックチェーンを用いる必要なんてないのです。これがLibraが実際にはブロックチェーンマネーではないと思われる理由です。
米下院金融委員会のマキシン・ウオーターズ委員長 :
「過去のトラブルを考慮し、フェイスブックに対して、議会や規制当局が内容を精査し対応するまで暗号通貨(仮想通貨)の開発を停止することに合意するよう求める」
ウオーターズ委員長は同時に「仮想通貨マーケットには現在、投資家、消費者そして経済を強固に保護する規制の枠組みが欠けている」とも指摘した。そうしたなか、仮想通貨マーケットにフェイスブックが「問題」を抱えたまま参入してきたことを、「仮想通貨が引き起こすプライバシーや国家安全保障、サイバーセキュリティーに関連するリスクに規制当局が真剣になるべきだとのウエイク・アップ・コール(目覚まし)だと認識すべきだ」と主張し、仮想通貨規制そのものの必要性を強調した。
さすがというか、何というか。
暗号通貨を使うと言い張るFacebookの意図について、いろいろと想像したくなってきますね。
さて、あとはおまけ。
表題の『ゴーレム』は知性のありようについての一考察という小説です。レベルが異なる知性は隔絶されるしかないという絶望を語りつつ、しかしもしかしたら宇宙は知性に溢れているのかもしれない、という希望を残します。いや、でも通じることがないからやっぱり絶望なのか。
その小説を成立させている仕掛けは「知性の強大さは、その消費エネルギーではかられる」です。
マイニングで燃え上がっている地球は、離れてみていると知性が増加しているように見えるのかもしれません。
おお、そんなバカな。
ゴーレムが載っている本はこちら。表題の虚数はどうでもよいのですが*2、ゴーレムは本当におすすめです。