all things must pass

記録と備忘録による自己同一性の維持を目的とするものです。

11/6 2018金沢市市長選ウオッチ(その2?)

金沢市の市長選が始まってしまったので、簡単に備忘録を。

 

(第一回?はこちら)

septiembreokbj.hatenablog.com

 

1.結局自民党は出ませんでした。

 

ここは予想と異なるところ。

今、いま山野氏と争うのは得策ではなく、それよりも次は市長の上を狙わせようと変な観測気球を上げている。

ちょっと古いが、8/11付けの北國新聞朝刊二面に「山野氏は知事を目指せ」というスゴいタイトルで馳浩氏へのインタビューが掲載されていた。内容はタイトル通り。金沢市から出て行ってくれるだけでOK、県知事になったときにはあの選挙スタイルでは勝てないだろうし、そのときには恩を高く売りつけるか、それとも反目にまわるか、自民の選択肢が増えるだろう、という思惑が透けてみえるような楽しい記事だった(以上はワタシ個人の感想です)。

逆に言えば、自民は今金沢市で勝てないという深い認識があるのだね。都市部では組織よりも浮動票、その浮動票をすくい取れるキャラがいないということなんだろう。前回の対抗馬が下沢氏になる時点で推して知るべしということだ。金沢市がいよいよ都市化してきて目出度いと言祝ぐべきか、自民のだらしなさ(変われなさ)にあきれるべきか、迷うところだ。

 

というのは、散々書いているがいわゆる「市民派」というのを、個人的には蛇蝎のごとく忌み嫌っているからだ。もうちょっとまともな受け皿政党になってくれないものかね。

 

 

2.選挙戦

山野氏、南氏、それぞれ、レベルの低い主張を繰り広げている。

 

まずは山野氏、「世界の交流拠点都市」の実現を目指すのとのこと。他には石川中央都市圏での広域行政推進、スポーツ文化の確立など。

それが、いまの金沢市の優先課題なのでしょうか?日本の将来というコンテクストから金沢だけが無縁でいられる訳がないのですが。そして国が貧乏になっていくときに、広域行政で我々の税金がまき散らされるのは勘弁してほしいのですが。実質のない規模拡大を指向するというのは、なんというか完全に時代遅れだなあと。

※あと、現職であるので、その仕事の成果の総括記事をちらほら目にするのだけど、その行動の唐突さ、調整のなさというのは、以前にもふれた元武雄市の樋渡氏と同型に見える。そういう意味で、次の県知事選に出なよという馳浩氏のインタビューは、意外や(失礼)歴史に学んだ正しい一手なのかもしれない。

 

南氏、家庭ゴミ有料化と宿泊税導入の中止、子供の医療費・第二子の保育料・学校給食費を無償にする「三つの無料化」が公約とのこと。こちらはいかにも共産党らしく、既存へのNoと、根拠が明らかにされていないばらまき。無償化が悪いんじゃ無くて、それが実現可能なのか、そこに優先して金を突っ込むべきなのかというところを全く説明してないのが、いつもの共産党クオリティ。

 

ということで、正直げっそり。

何が金沢市の問題なのか、どこに向かうべきなのか、それはなぜなのか、そのことについて広く合意形成を行うためにどんな仕掛けが必要なのか、そういう話は一度たりとも聞こえてこず、ピンポイントであれが良い、これが必要と述べるだけ。かたや樋渡型の候補、かたや旧来からの共産党型候補、しかしメタ行動においては同型なのであった。

つまり、どちらを選んでも、今後の見通しが立たない(行動に合理性を期待できない)ということでは一緒なのだ。

 

それでも選挙には行くんだけどね。

 

追記

septiembreokbj.hatenablog.com

において、

制度の当否とは関係なく、市長および市役所の「丁寧な説明を拒む態度」というイメージはメディアの後押し(※1)などもあって浸透していると思われ(※2)、かつ地域コミュニティにゴミ処理の末端を代行させようという方針については実質的な承認を経ていない(※3)状態にあっては、今なお火種はくすぶっており、一旦ことあれば(事を起こせば)大炎上が可能な状況であり、仕掛け次第で十分に乱戦がありうると見ている。

とか書いといて、全然乱戦になってないじゃないか、と友人に突っ込まれたので補足を。

 

確かに盛り上がらない選挙になってるけど、それは共産党がしかるべき施策を行ってないのが原因。丁寧に説明する、合意を形成するという基本をすっ飛ばして、「家庭ゴミ処理の有償化をやめる」という妥当かどうかも判らない結論のみを声高に叫んでいるのが悪いのだ。

つまり、オレを信ぜよ、オレは正しいのだという態度において、今回の市長選はどちらも同型なのであった。ヲヲ、田舎の暗黒、地方の蒙昧。

 

結局どこまで行っても、どっちを向いても、「よらしむべし、しらしむべからず」なのだねえ。

 

ま、それでも選挙には行くんだけどね。